吉田マホガニー（翆帆）さんの「木彫り熊 03 - Kochab」です。

ヤマザクラ材から切り出して手斧とノミで仕上げた堂々たる佇まい。
前回紹介した作品たちよりもファットでずっしりとしたフォルム。背中から肩にかけての手斧（マサカリ）によるゴツゴツした彫り跡は山の岩肌のようで、丸みのあるフォルムとのメリハリが効いています。
ヤマザクラは硬い木材ではあるものの、細部までパキッと仕上げることができるとのこと。木材としては、優しい色合いで緻密な肌目のため、手に取って撫でたりすることで徐々に光沢が出て艶やかな表情へと変化していくことでしょう。
　
作品名の「Kochab」（コカブ）は、"こぐま座"を構成する星の名前に由来しています。
ものとしてのみならず、自然へとつながる"窓"のような素敵な作品です。

塊としての木の重量感、大胆さと繊細さを随所に織り交ぜた彫り目が生み出す吉田熊らしい穏やかな表情、どっしりと構える様。純粋にモノとしても非常に魅力的な作品です。

作品裏面に製作年と銘が刻まれています。

※底面にひび割れ止めを塗っています。