吉田マホガニー（翆帆）さんの「木彫り熊 02 - roof」です。

屋根のようにせり上がった背中が特徴的な木彫り熊 “roof”
岩のような、山のような、重厚感を感じさせるフォルム。
大胆なデフォルメと面取りによって、どっしり構える力強さを感じます。

木材はクスノキ。
北海道には自生していないこの材は、特に九州地方で多く見られ巨木に育つことや美しい木目が特徴です。独特の芳香は樟脳と呼ばれ、防虫剤や香料としても重用されています。
北海道発祥の木彫り熊。道産材や北海道に自生している材種だけでなく、自らが暮らす九州の地で入手できる材を使用したこの作品には、オリジナルな九州産の“吉田熊”を作っていこうという作家の意志も込められているように感じます。

塊としての木の重量感、大胆さと繊細さを随所に織り交ぜた彫り目が生み出す吉田熊らしい穏やかな表情、どっしりと構える様。純粋にモノとしても非常に魅力的な作品です。

作品裏面に製作年と銘が刻まれています。